沖縄が意思表示を続ける意義とは 県民投票から3年 元山仁士郎さんに聞く


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県民投票の実施から3年が経過し、思いを語る県民投票の会元代表の元山仁士郎さん=22日、那覇市泉崎の琉球新報社

 県民投票にはどんな意義があったのか。当時、実現に向けて中心的な役割を果たした県民投票の会元代表の元山仁士郎さん(30)に話を聞いた。

 ―県民投票は若者が中心となって実現した。

 「名護市長選の出口調査を見ると、若い人ほど基地容認とみられる現職に投票していた。政府が沖縄の声を聞こうとしない姿勢を見せ続ける中、何を言っても無駄じゃないかという諦めもあると思う。新型コロナの影響で基地の優先順位が下がっていたこともあるだろう」

 「投票した人が、この問題をどれだけ考え続けたのかは分からない。ただ、政治家を目指して市議になった人もいる。影響を受けた人は一定数いる。自分より若い世代にどれだけ背中を見せ続けられるか考えたい」

 ―世論を受け止める側の問題をあぶり出した。

 「さまざまな問題で、被害者の側に対し『なぜ声を上げないのか』という批判が出る。少なくとも沖縄は声を上げたのに、政府は受け止めなかった。投票後、安倍、菅、岸田と政権が3代変わったが『辺野古が唯一』という文言は変わらない。受け止める側の問題だ」

 ―一橋大大学院で日米外交史を研究している。

 「日米政府は互いに世論調査の結果を報告し合っている。初の主席公選で屋良朝苗氏が当選した時も、米国は深刻に受け止めた。議員、首長の選挙結果を受けて、復帰実現に傾いていった。選挙や世論調査は決して無駄じゃない。諦めそうになる気持ちはよく分かるが、意思表示は続けないといけないと思う」

 「選挙で人や政党を選ぶだけでなく、一緒に特定の問題について聞いてみたらどうだろうか。全部は難しいが、例えば基地や原発、夫婦別姓などの個別政策について意見を聞く。民意をより反映させるためだ。県民投票後の選挙を見て、その必要性を感じた」
 (聞き手 稲福政俊)