同姓も別姓も幸せに 選択的夫婦別姓「国に意見書を」 陳情アクション沖縄、豊見城市議会で訴え


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豊見城市議会教育民生常任委員会に出席し、意見を述べる(右から)眞鶴さやかさん、砂川智江さん=2月25日、豊見城市議会第一委員会室

 【豊見城】結婚時に夫婦が同姓になるか別姓でいるかを選べるようにする「選択的夫婦別姓制度」を巡り、豊見城市議会教育民生常任委員会(比嘉彰委員長)は2月25日、法制化を促す意見書を国に出すよう求める陳情を提出した市民団体のメンバーを招致した。参考人の砂川智江さん(44)は「同姓を選びたいカップルも、別姓を選びたいカップルも幸せになれるよう、豊見城市からも国に意見書を送ってほしい」と訴えた。

 団体は「選択的夫婦別姓・陳情アクション沖縄」で、共同代表の砂川さんと眞鶴さやかさん(35)が説明した。眞鶴さんは県内在住のメンバーの声を紹介。「別姓が選べないために結婚できない」「望まない改姓をして苦しい」などの声を届けた。

 市議会与党会派の委員のうち瀬長恒雄氏(共産)、真栄里保氏(同)が賛成の立場を示した。 伊敷光寿氏(真新会)は「女性の社会進出も進んでおり、豊見城市でも女性の部長も出た。制度のメリット・デメリットは」と尋ねた。

 砂川さんは「選択制なので、幅が広がるのが大きなメリット。誰か困る人が出ることはなく、デメリットはないと私たちは思う」と応じた。

 野党会派の楚南留美氏(ZERO)も自身の経験を語った上で「今の世の中に合った法制度を、私も望んでいる」と述べた。

 新垣繁人氏(同)は制度改正が遅れている理由などを問い、川満玄治氏(保和会)は「戸籍制度の崩壊につながらないか」と懸念を示した。

 砂川さんは、別姓を望むため事実婚をしている人の存在などを念頭に「戸籍崩壊は私たちの望みと全く逆の指摘だ。別の姓でも同じ戸籍に入りたいというのが私たちの願いだ」と説明した。

 同委員会は、陳情を継続審査とする方針を決めた。

 (前森智香子)