鈴木さん「鶴亀の縁」選出 第2回新作組踊戯曲大賞


社会
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鈴木耕太さん

 国立劇場おきなわは2日、「第2回新作組踊戯曲大賞」の入賞作品を発表した。県立芸大芸術文化研究所准教授の鈴木耕太さん(42)の「鶴亀の縁(つぃるかみぬゐん)~扇のえにし~」が大賞に選ばれた。鈴木さんは「古典作品にない、薩摩を舞台とした場面展開を試みた。前回応募作より構成に力を入れたことが受賞に結びつき、うれしい」と話した。

 「鶴亀の縁」は、江戸上りの勤めを終えて帰国する船で命を落とした父の影を追い、芸能に打ち込む若者の姿を描く。審査員は「琉球と薩摩の関係資料を参考にした構成で、シンプルな展開・戯曲構成は非常に組踊的な仕上がりとなっている」などと評した。

 奨励賞に伊良波賢弥さんの「菊花の縁(ちっくゎぬゐん)」、佳作に西岡敏さんの「清(ちゅら)ら瘡の御神(がさぬうかみ)」、大城貴幸さんの「綾雲(あやぐむ)」が選ばれた。

 選考審査委員は組踊実演家の眞境名正憲さん、名桜大学大学院国際文化研究科特任教授の波照間永吉さん、県立芸大名誉教授の比嘉康春さん、演出家の富田めぐみさん、同劇場芸術監督の嘉数道彦さんが務めた。
 (藤村謙吾)