青パト、タクシー活用し効率化 来年度3600台で防犯業務 米軍関わる通報は6年で10件


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沖縄総合事務局を出発し巡回する青パト車両=2021年(資料写真)

 【東京】内閣府は3日、2016年の米軍属による女性暴行殺害事件を受けて、米軍関係者による事件の再発防止策として始めた「沖縄・地域安全パトロール隊」(通称・青パト)事業について、県内のタクシーを活用した防犯業務の導入を進めていると明らかにした。16年6月の制度導入から、米軍関係者に関わる通報件数が10件にとどまるとも明かした。

 衆院沖縄北方対策特別委員会での新垣邦男氏(社民)への答弁。

 内閣府によるとタクシーを活用した防犯業務は、事件事故に遭遇した際の位置情報を県警に通報できる車載コンピューターシステムを県内タクシーに搭載する。既に18年度から試験導入を進めており、22年度中に、県内のタクシー事業者が運行する車両3600台で本格運用を開始する。

 原宏彰政策統括官は「創設以来6年が経過し、知見も一定程度蓄積された。従来より効果的な事業執行を図る」と述べた。

 新垣氏は、事業について「費用対効果を疑問視する声がある」とし、米軍関係者の通報実績の開示を求めた。原氏は、累計の通報件数が1844件とし、このうち10件が米軍関係者にまつわるものだとした。

(安里洋輔)