特許と意匠の両方を取得した高校生がいる。県内の高校生で両方を取得したのは初めてだという。中学生の頃からプラモデルなど物作りが好きだった沖縄工業高校工業化学科3年の大城智尚さん(18)だ。大城さんは「好きな気持ちが不器用さをカバーしたと思う」と胸を張った。県内初の快挙を達成した大城さんだが、指導教諭の知念豊孝さんは「実はとても不器用なところもある」と明かす。「責任感が強く、絶対に最後までやり通す。粘り強さが結果を出した」と称賛した。
大城さんは2020年度にパテントコンテスト、21年度にはデザインパテントコンテストに、同級生と作った作品を提出。コンテストはオリジナルの発明品、またはデザイン(意匠)を応募するもの。入賞特典として特許庁への出願ができる。
パテントコンテストには、冨山陽汰さんと作った飲料容器用キャップを提出して優秀賞を受賞し、特許出願した。飲料用容器の注ぎ口に直接口を付けて飲むと中に雑菌が混入するため、液体の逆流を防ぐキャップを作った。
デザインパテントコンテストには島袋優人さんと作ったスマートフォンスタンドを提出。三つの支柱を組み合わせることで、置くスマホの角度を調整できるようにした。優秀賞を受賞し、意匠出願した。
物作りの魅力は「思ったようにいかない」ところ。卒業後は県内の専門学校で、自動車整備などを学ぶ。自分の体より大きな物を作るのは初めて。「今からわくわくしている」と、春を待ち遠しく思っている。
(嘉数陽)