モバイルプリンス
ロシア軍は2月24日、隣国ウクライナへ全面的な侵攻を開始しました。ウクライナの首都キエフなどにミサイル攻撃・爆撃が行われ、多数の死者が出ています。1991年の湾岸戦争はテレビで生中継された初めての戦争でした。今回の戦争では、SNSでウクライナのリアルな映像や、攻撃から逃げる人々の生々しい報告が大量に投稿されています【※1】。
現地の様子が可視化されて共感が広がり、SNSではウクライナへ連帯を示す人たちも増えてきました。実際に渋谷では戦争を反対するデモが開催され、数百人が集まりました。
※1 生々しい報告が大量に投稿されています … ためになる情報が多い一方、フェイクニュースやデマも多数投稿されています。例えば、違う戦争や事件のショッキングな映像が「今のウクライナの現状」として投稿されるなどです。情報があまりにも多いため、心を守るとともに事実の見極めも行わなければならず、SNSの使い方がより難しくなっています。
モバイルプリンス
戦争についての情報を取り込み、自分で考えることはとても大事なことです。その一方、リアルな映像や情報が大量に入ってくることで不安になったり、ストレスを覚えたりする人もいるでしょう。
特に、子どもから大人へと成長する過程の思春期の子どもたちは、心がすごく繊細で、大人以上に戦争のニュースで精神的なダメージを受ける可能性があります【※2】。
※2 精神的なダメージを受ける可能性があります … 私が中学生だった2001年、アメリカで「9・11同時多発テロ」があり、世界が緊張状態になりました。近くの米軍基地も厳戒態勢となり、私は戦争に巻き込まれる夢を何度も見て不安になりました。あれから20年たち、情報の量はケタ違いに増えました。それらを何度も見ていくと、20年前よりも心が疲れるだろうと考えています。
モバイルプリンス
戦争の報道だけでなく、有名人が自ら命を絶ってしまったニュースなどにSNSで何度も触れることで、心が疲れることもあります。
こうした時は、思い切ってスマホのSNSを削除して、「いったん距離を取る」という方法も有効です。「SNSを使いこなす」とは、ただ使い続けるだけでなく、時には「使わない」ことを選ぶということです。
皆さんはこれから先の長い人生、SNSとはうまく付き合っていかなければなりません。ぜひ、「距離を取る」「離れる」などのテクニックを意識して使ってみてください。
【プロフィル】
モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。