東京都で6日にあった東京マラソン車いすの部女子T53/54クラスで、うるま市出身の喜納翼(31)=コザ高―沖縄国際大出、琉球スポーツサポート=が1時間40分21秒で優勝し、2連覇を果たした。喜納は昨年3月の同マラソンで、1時間40分0秒の大会新記録を出して初優勝していた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で外国人選手の出場がなく、出場は喜納と土田和歌子(ウィルレイズ)の2人だった。
進路方向の横から風が吹きつけ、常に負荷がかかるハードなレースだったが、喜納翼は自身が持つ大会記録と21秒差のゴールで健闘した。「大会記録を更新したい思いはあったが、きょうの環境でできる限りの走りはできた」と総括した。
スタート直後、これまでの東京マラソンと異なるコーナーに戸惑いつつも、女子先頭を終始キープ。新型コロナの影響で、昨年の東京パラリンピックより規模が小さい大会だったが、周囲から聞こえる励ましの声で車輪をこぐ腕に力が入った。
風が吹く中でのスピードキープや苦手な上り坂での課題も見えた。「持久力が必要と感じた」と話し、体をうまく使うことへの修正に取り組むとした。新型コロナの影響で大会開催も危ぶまれたが、下地隆之コーチは「無事に開催され、いいスタートが切れた」と胸をなで下ろす。
パラリンピックや5度の東京マラソン出場でベテランの域に入りつつある。次戦は13日の名古屋ウィメンズホイールチェアマラソン(10キロ)。喜納は「いい形でスピードを乗せたレースをつくっていきたい」と意気込んだ。
(金良孝矢)