「女子は男子より頑張らないと」納得いかない県立中入試 私立は撤廃「時代に合わぬ」


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 沖縄県立中の入試には男女別の定員があるが、県内私立中では性別による定員は設けていない。私立中に勤務する教員の一人は「入試に向けて頑張った人が同じように評価されるべきだ」と話し、男女別定員を設定することを疑問視する。次年度、娘が県立中学受験を予定している保護者(44)は「塾の先生に、女子は男子より頑張らなきゃいけないと説明を受けて驚いた。性別が影響して不合格になった人に、県は納得いく説明ができるのだろうか」と不満をあらわにした。

 県教委は男女別定員枠を設ける根拠について、「生徒数が男女どちらかに偏ると、授業づくりや学級、学校運営に影響する」「男子が多いと女子は萎縮する。逆も同じだ。大人になった時、男女が対等に社会参画することを考えれば、男女同数の教育環境が望ましい」と説明する。

 県内私立中の一つ、昭和薬科付属中の3年生は、女子が約40人多い。3年前は逆に男子が約40人多かった。

 どちらの学年も指導したことのある体育教師の赤峯真樹子教諭は「確かに男女の偏りでクラスの雰囲気はかなり変わる。少数派が多数派に負けて意見を出さなくなる傾向もある。同数の方が授業も指導もやりやすい」と話す。

 その上で、「それでも必死で受験勉強した人が、性別で不利になるのはよくない。男女の偏りで生じる課題は教師の配慮でカバーできるし、すべきだ」と強調した。

 別の教師は、性的少数者保護の観点から「男女で分けるのは時代にもそぐわない。当事者に説明もつかない」と指摘した。
 (嘉数陽)