東日本大震災から11年の節目を前に、岩手県の県紙・岩手日報社の東根(あずまね)千万億(ちまお)社長が8日、那覇市の琉球新報社を訪れた。被災地の地元紙として風化させないために伝え続けることや、復興に向けた社の取り組みなどを紹介し「地の果てまで寄り添う」と思いを込めた。同社は2012年以降毎年3月11日に全国で特別号外を配り、復興支援に対する感謝と復興状況を伝え続けている。東根社長は「少しでも悲しむ人が少なくなるように意識喚起したい」と意義を語った。
この1年では、岩手出身の大谷翔平選手が米大リーグで最優秀選手賞(MVP)を受賞した際に特別号外を発行し、南極・昭和基地を拠点に活動する第63次南極地域観測隊に同行して最前線を伝える「南極支局」開設などに取り組んでいる。
東根社長は9日に行われる会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・玻名城泰山琉球新報社長)で講師を務める。
(仲村良太)