日本銀行那覇支店(飯島浩太支店長)は9日、3月の県内金融経済概況(主要指標1月)を発表した。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染流行の影響で個人消費や観光で下押し圧力が見られるとし、県内景気は「厳しい状況にある中、持ち直しの動きが弱まっている」と判断を据え置いた。
先行きの県内経済についても「引き続き感染症の影響を受けるとみられる」と判断を維持した。飯島支店長は「感染が和らぐことで持ち直しの動きが期待される」とする一方、「全国的に感染が落ち着かなければ、県外からの需要はなかなか回復しにくい。しばらくは感染症への警戒感は続く」と分析した。
【消費】コンビニ全店舗の売上高は前年同月比2.8%増となった。前月は観光地における売り上げの回復が見られたが、感染症の影響で観光客が減少しプラス幅が縮小している。ドラッグストアの売上高は同0.3%減。前年を下回っているものの、感染症関連商品の需要が高まったことでマイナス幅が縮小している。
【観光】主要ホテル客室稼働率は前年同月比23.2%となり、感染流行前となる2019年との比較では、67.7%減となった。2月の速報値は22.0%で、前年の確定値を2.4ポイント上回った。ホテル側からのヒアリングでは「春休みなどの予約が入り始めている」との声が聞かれている。
【投資】新設住宅着工戸数は前年同月比20.7%減。振れ幅の大きい分譲マンションが前年を下回ったことから、全体でもマイナスとなった。ただ、持ち家や分譲戸建ては引き続き堅調に推移している。
(小波津智也)