北京冬季五輪、言葉のいじめ…新聞記事から自分見つめる コザ中が道徳・キャリア教育


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
キャリア教育の授業で平野歩夢選手の記事を読んで意見交換する生徒たち=3月2日、沖縄市立コザ中

 【沖縄】沖縄市立コザ中学校で新聞を活用した2年生の道徳、キャリア教育の授業が2月から3月にかけて実施された。キャリア教育は北京冬季五輪、道徳ではいじめに関する記事を活用した。どちらも新聞記事を基にクラスメートと意見交換しながら、自分ごととして捉え、今後の目標や心構えなどをまとめていった。

 両授業とも学級担任と日本新聞協会認定NIEアドバイザーの松田美奈子同校主幹教諭が授業を担当した。

 「自分だけの挑戦」と題した3月2日のキャリア教育の授業では、北京冬季五輪スノーボードで優勝した平野歩夢選手の記事(琉球新報)を使った。平野選手が練習で「10回跳んで10回成功するまで納得しない」としている点について、どんな力がついたのか話し合い、「諦めない力」「努力を続ける力」などが挙がった。

 2回目で得点が伸びなかった点にも着目し、自分なら3回目は同じ技の完成度を上げるか、別の難しい技に挑戦するかをそれぞれ考え、その理由も発表し合った。

 最後に、中学の間に自分が挑戦することを各自ワークシートに書き込んだ。クラスの男子生徒(14)は「提出物を後回しにしたことがあるので、何事も後回しにしないと書いた。記事を読んで平野選手は最後までやりきってすごいと思った」と語った。担任の安里里美教諭は「選手の選択を記事で知り、自分ごとにして考えることができた」と授業を振り返った。

 2月25日の道徳の授業は、精神科医の名越康文さんが中学時代を振り返り、言葉のいじめを受け、どう乗り越えたか語った記事(沖縄タイムス)を使った。名越さんが記事で「好きなことに没頭することが大切」と呼び掛けていることについて話し合った。

 同クラスの女子生徒(14)は「部活でチームメートがコロナにかかって大会に出られなくなったらショックを受けると思うけど、その子は精神的にも弱っているはずだから心配してあげると思う」と話していた。

 担任の松田南教諭は「新聞活用で生徒たちが新しい視点を取り入れることができる」と話していた。
(高良利香)