タンブリング又吉、日本代表に選出 年齢別でV


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 第8回全日本タンブリング・ダブルミニトランポリン競技年齢別選手権大会兼ワールドゲームズ2022日本代表選考会が6日、静岡県磐田市のアミューズ豊田で開かれた。タンブリングオープンの部(17歳以上)男子で又吉健斗(具志川東中―静岡・磐田東高―静岡産業大3年、同大クラブ)が優勝し、日本代表に選ばれた。セミファイナルに当たる決勝1は6人で競われ、又吉は26・300で1位で通過し、上位4人が進んだファイナルに当たる決勝2では25・800で栄冠をつかんだ。4年に一度開催される世界大会のワールドゲームズは7月、アメリカのアラバマ州バーミングハムで開催される。


重圧はねのけ世界切符 高難易度で点数重ね
 

又吉健斗

 タンブリングの又吉健斗が1枠のみの世界行き代表切符をつかんだ。演技内容と点数だけを見れば順風満帆そのものだが、トップの座をつかむのは容易ではなかった。

 「大会1週間前まで、これほどにないくらいに調子がよかった」。アクシデントが襲ったのは大会4日前。練習中に腰に激痛が走り、技が繰り出せない状態に陥った。それから練習ができず安静状態に。「ほぼぶっつけ本番だった」と痛み止めを飲んで演技に臨んだ。

 6人で争われたセミファイナルでは「一番自信のある演技構成でしっかり成功させることができた」と、難易度が高い「伸身2回宙返り3回ひねり」で点数を重ねた。

 上位4人が進んだ決勝は「メインの大技に行く前の技の難易度を上げる構成にした」とここでも思惑通りの展開へ。最大のライバルで同じクラブ、2位となった草ケ谷剛とは2・200差の25・800で頂点をつかんだ。

 試合後は草ケ谷とハグし合い「ありがとね」と声掛けした。相手からは「健斗、よく頑張ったよ」とねぎらいの言葉をもらい、途端に涙があふれた。周囲からの期待が大きく、ただならぬ重圧があった。競技と向き合い過ぎる孤独感もあったが「気持ちの切り替えができ精神的な成長も感じた。週4日間、指導している体操教室の生徒たちの頑張りも力になった」と背中を押した。

 世界大会に向け「難易度を大幅に上げて構成なども練り直したい」と残り期間で技に磨きをかけ、猪突(ちょとつ)猛進を誓う。

(大城三太)