言葉の使い方 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[250]


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モバイルプリンス

 

先月15日、プロゲーマーの女性がネット配信の中で「身長が170センチない男性は人権がないんで」などの発言を行い、批判が集まりゲームチームの契約を解除される事態になりました。

「付き合う男性は身長が170センチはあった方がいい」ということを言いたかったのでしょうが、ゲーマーの人たちがよく使う「人権がない」というスラング【※1】を使ってしまったことで、意味がかなりキツくなってしまいました。

 

※1 「人権がない」というスラング … ゲームを進める上で有利になるアイテムを持っていないと、厳しい状況になります。それを「人権がない」と表現するのがゲーム業界などのスラングでした。今回はゲーム内のアイテムの話ではなく、実際の人間の身長の話をしている時に「人権がない」と使ったことで差別的な意味が含まれた発言となりました。

 

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「スラング」とは特定の人たちの間で使われる、汚い、品のない言葉を指します。最近では「パワーワード」と呼ぶこともあります。

こうした言葉は仲間意識が芽生える効果もあるため、配信者などが使いたくなる気持ちはすごく理解します。同時に、使い方を少しでも間違えるととんでもない意味へと変化するリスクもあります。

 

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言葉は、使う場所や前後の文脈、相手との関係性などによって受け取られる意味が大きく変わってきます。言葉の使い方を間違えてしまうことで、人間関係に大きなヒビが入ったり、今回のように仕事に悪い影響を及ぼすこともあります。

ネットやSNSでは自分と感覚が近い人と頻繁に交流しやすいようにできています。そのため当たり前に使われている「スラング」が、他の人たちが聞くとギョッとして批判されることがあるのです。

改めて使っている言葉の意味をしっかりと知り、使うタイミングなどを考えていかなければなりません。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/