先輩から後輩へ、伊是名「神アシャギ」屋根を葺き替え 文化財と技術を継承


社会
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伊是名区・神アシャギ屋根の葺き替え作業=伊是名村

 【伊是名】2月5日から7日にかけて、伊是名村伊是名区にある神アシャギの屋根の葺(ふ)き替え作業が行われた。数年に一度行われており、前回は2017年度に保存修理を行っている。

 村指定文化財である神アシャギは県の補助金と村予算を活用し、区民による作業を通して先輩から後輩へ、葺き替えのやり方を伝えながら作業し、貴重な文化財の維持と継承の機会ともなっている。

 今回も昔からの手順を知る80代の方から細かい作業のやり方を学んだ。材料は、以前は、無人島の屋那覇島からカヤを刈り取ってきて葺き替えていたが、今回は東村の協力を得て、リュウキュウチクを使用した。

 茅葺(かやぶ)き技術のある高齢者が年々少なくなっているが、完成したときに行う伝統的な落成、除災招福の儀式(ヤーチンプーのウガミ)も久しぶりに行った。

 神アシャギの内側の人がお酒とお米、外側は塩とお酒を持ち、内側にいる人が「エーイ、エーイ」と合図すると、外側から「エーイ」と返事をし「くぬ殿内ぬ四ぬ隅柱(くぬどんちぬよーちぬしんばーや)、八ちぬ金柱(やーちぬきんばーや)、踊いたなげえ(おどいたなげー)、遊びたなげえ(あそびたなげー)、鬼や出じて(おにやんじて)福はいっちもーれー」ととなえ、プッ、プッとお酒を吹きながら、みんなで家の隅を3周した。

 教育委員会職員で学芸員の大城正泉さんは「集落の皆さんが協力して取り組むことで、修復技術の継承を図ることも目的としている」と話した。

(比嘉陽子通信員)