沖縄県春季高校野球が開幕 普天間、延長サヨナラ弾


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北中城―普天間 十回裏、サヨナラ勝ちを決める本塁打を放ち、ダイヤモンドを一周しガッツポーズする普天間の久場彩叶(手前右端)=20日、アトムホームスタジアム宜野湾(謝花史哲撮影)

 第69回沖縄県高校野球春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)は20日、アグレスタジアム北谷など3会場で開幕し、1回戦8試合を行った。普天間は6―5で北中城に延長十回サヨナラ勝ち。コザは8―0で那覇西に八回コールドで勝利した。与勝は9―1で南風原に七回コールド勝ちし、美来工科は5―3で美里工に競り勝った。ウェルネス沖縄は4―1で北谷に勝利した。読谷は5―1で開邦・南部農林・真和志・浦添工連合に勝った。沖縄尚学は9―0で首里に七回コールドの快勝だった。小禄は9―2で豊見城南に八回コールド勝ちを収めた。具志川商に新型コロナウイルス陽性者が確認され大会を辞退したため、対戦相手の久米島・南部商連合が不戦勝となった。21日は1回戦9試合を行う。

主砲・久場が劇的一発

 この日沈黙していた普天間の主砲が劇的弾で勝利を呼び込んだ。延長十回裏、公式戦初の本塁打をスタンドに放り込んだ久場彩叶は「自分一人だけではない、チームのおかげ」と表情を緩める。サヨナラ勝利を決め、ベンチや応援席から声援を送り続けた仲間に感謝し、喜びをかみしめた。

 九回にチームはミスから同点に追いつかれ、延長戦に突入した。十回の先頭打者となった久場は、ここまで無安打。「考えても仕方ない。初球から思いっきり振っていこう」と打席に立った。昨年の秋季大会後、いつもより1・5倍ほど重いバットを振り込んだ。スイングスピードの強化を図ってきた練習を信じて高めの直球をたたいた。

 北中城の先発上村槙之介は小学からの旧知の仲。転校で小学3年以降は別々の学校だったが「友人でありライバル。負けたくなかった」。それまで抑え込まれた悔しさを一打に乗せた。

 右翼のフェンスを越える記念すべき今大会1号に「忘れられない打席になった」と振り返る。次戦に向けて「浮かれずに気を引き締めて試合に臨みたい」と、すぐに気持ちを切り替えた。
 (謝花史哲)

 


 ●北中城 延長の末の惜敗に奮起を誓った具志堅陽斗主将 九回の同点は自分たちもびっくりした。チームが一つにまとまった結果だと思う。負けたけど夏に向けて大きな経験になった。これを生かして夏はもっと勝てるよう頑張りたい。