就労支援3施設に廃棄パソコン寄付 沖縄電子、利用者解体し収入


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パソコン部品の解体作業に集中する具志堅直人さん=14日、那覇市前島の多機能型事業所「奏・ピアサポートラウレア」

 【宜野湾】電気通信関連の沖縄電子(宜野湾市、宮城啓一代表)は2020年12月から、県内の民間企業や自治体から回収したパソコンのうち、廃棄用を県内の3就労支援施設に寄付している。施設では利用者がパソコンを解体して取り出したレアメタル(希少金属)を販売し、利用者の利益にもつなげている。宮城代表は「ビジネスと社会貢献がつながる仕組みをつくりたい」と語る。

 「社会貢献の仕組みに」

 沖縄電子は買い取り・回収したパソコンを、再利用できる場合は整備して販売する。再利用できない場合は廃棄するが、部品ごとに解体するのは大変な作業。そこで就労支援施設に声を掛け寄付に至った。20年度は約2千台を回収し、うち3割の622台を施設に寄付した。

 那覇市前島の多機能型事業所「奏・ピアサポートラウレア」では14日、利用者の具志堅直人さん(50)がパソコン部品の解体作業に取り組んでいた。具志堅さんは「鋭い部品で手をけがしないよう気を付けつつ、自分のペースでできている」と手慣れた様子で話す。

 事業所では金や銅、パラジウムなどが含まれる小さな中央演算処理装置(CPU)やメモリーを、これまで段ボール箱5箱分を県外のリサイクル業者に販売してきた。パソコン1台で約2千円のリサイクル価値があるという。

 事業所の作業指導員・金子龍詩(たつし)さんは「利用者が解体に集中して楽しみ、コミュニケーションも取れて、とてもいい作業」と評する。事業所を運営する「Tee off」の沓澤勝代表は解体作業を通し「利用者と一緒に成長できれば」と述べた。
 (金良孝矢)