沖縄公庫、太陽光発電技術のベンチャーに5000万出資 脱炭素社会へ再エネ普及を期待


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沖縄振興開発金融公庫の出資実行を報告する(左から)公庫新事業育成出資室の比嘉努室長、ネクステムズの比嘉直人社長=22日、那覇市泉崎の琉球新報社

 沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)は22日、太陽光発電の遠隔制御技術を開発するベンチャー企業ネクステムズ(浦添市、比嘉直人社長)に5千万円の出資を実行した。同社は自社の技術力を生かして県内で再生可能エネルギーサービスの普及事業に取り組んでおり、沖縄公庫は二酸化炭素の排出削減に向けた重要な事業として、同社への支援を通じた脱炭素社会の実現へ期待を寄せている。

 ネクステムズは2018年に設立。地域に設置した太陽光発電設備に対し、地域の需給に応じた発電量の調整を遠隔で制御し最適化を図る技術を開発している。具体的には、地域の事業会社が太陽光発電や蓄電池などの設備を無償で提供し、設置先から自家消費分の電気料金を徴収、事業会社がネクステムズに技術の対価収入を得る仕組み。

 宮古島市や久米島町では同社の関連企業として事業会社が設立されており、今後は石垣島でも設立し事業を展開する。沖縄電力の太陽光発電設備と蓄電池の無償設置サービス「かりーるーふ」でも同社の技術が生かされている。

 沖縄公庫はNECキャピタルソリューション(東京)と日新システムズ(京都)と協調しており、3者の出資総額は1億3千万円に上る。

 公庫新事業育成出資室の比嘉努室長は「技術の高い企業を支援することで、沖縄の課題解決につながる」と出資の意義を強調。比嘉社長は「カーボンニュートラルに向け、太陽光発電を県内の主力電源に切り替えられるよう取り組みを強化していきたい」と今後の抱負を語った。
 (小波津智也、写真も)