仲間と学び難関大へ 開邦・球陽が報告会 中高一貫の1期生らが卒業


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 開邦高校と球陽高校は19日、大学入試の合格状況報告会を各学校で開いた。21年度は中高一貫校の1期生を含む生徒が今春卒業し、同日時点で開邦は国公立大に84人、私立大に77人、球陽は国公立大に111人、私立大に129人が現役合格した。難関大学や医学部医学科の合格者は開邦は28人、球陽は6人で、東京大学に開邦から3人、球陽は1人が合格した。いずれも中高一貫の1期生だった。

難関大学や医学部医学科に合格した開邦高校34期生=18日、南風原町の同校

 開邦は大濱裕司校長らが東大のほか京都大3人、北海道大2人、九州大に6人が合格したことなどを報告。同校によると難関大学と言われる大学の合格者数は過去最多。進路指導部主任の知念真紀子教諭は中高一貫になったことに加え、16年の学科再編も合格者数増に影響したと説明した。

 開邦中1期生で東大理科1類に合格した翁長林生(りき)さんは「内進生は高校1年まで同じクラスだった。みんなが高い目標を持っていて、刺激し合えた」と振り返った。高校から入学し、東京工業大学に合格した寺瀬優希さんは「内進生にライバル意識を持って勉強に取り組む雰囲気があった。互いに学び合えた」と内進生と高校から入学した外進生の相乗効果を語った。

大学合格に喜ぶ(左から)下里琉樹さん、喜久山永飛さん、佐久川志歩さん、德元陽菜さん=18日、沖縄市の球陽高校(金盛文香撮影)

 球陽では難関と言われる旧帝大と神戸大、一橋大などに6人が合格した。中高一貫1期生の4人が同席し、合格の喜びや6年間の思い出を語った。名古屋大学医学科に合格した徳元陽菜(ひな)さんは「周りに何かしら得意な教科を持っている子がいて、互いに教え合った」と仲間と学べた利点を述べた。東大理科1類に合格した下里琉樹さんは「自分にないものを持っている人から、いいところを吸収できた」と6年間を振り返った。

 平良淳校長は、親に勧められて中学に入学した生徒が成長過程で反発心が生まれる場合もあるとし「どうやる気を出し、高い目標を持ってもらえるか学校も考える必要がある」と課題も指摘しつつ「生徒自身が刺激し合っていた」と語った。
 (名嘉一心、稲福政俊)