中小DIマイナス38.6 回復基調も全国下回る 沖縄県内21年度


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 県中小企業団体中央会(島袋武会長)はこのほど、2021年度中小企業労働実態調査を発表した。21年7月1日時点の経営状況について、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた指数(DI)は、マイナス38・6となった。前年調査との比較では5・2ポイント改善した。ただ、全国では前年比29・3ポイント上昇のマイナス25・7と大幅に改善し、沖縄を逆転。新型コロナウイルス禍にあえぐ県内企業の苦境が浮き彫りとなっている。

 調査には県内385事業所が回答した。新型コロナに関する経営への影響については「売上高の減少」が前年の調査に続き最多の59・9%を占めたが、前年比では4・1ポイントの減少となった。「取引先・顧客からの受注減少」が49・7%と続いた。全国でも県内と同じ傾向となっている。

 コロナ下での事業継続へ今後実施したい方策については「各種補助金の申請・活用」が41・2%と最も多かった。

 22年度の採用計画では「ない」が56・6%を占めた。「ある」は14・6%にとどまった。全国では「ない」は54・2%と県内とほぼ同水準だが、「ある」が25・5%で県内と10・9ポイントの差が開いている。

 賃金改定の実施状況については「未定」が36・9%と最も多く、「引き上げた」28・2%、「今年は実施しない(凍結)」22・7%と続いた。業種別では引き上げ予定を含めると、情報通信業が最多の85・7%だった。改定を決めた要素では、「労働力の確保・定着」が56・4%と最も多く、「企業の業績」が52・6%と続いた。

 (小波津智也)