苦しみって何だろう?支えになるものは? 沖縄ハンズオンが「いのちの学校」開催


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「命の学校」講演会で参加者に語りかける県立中部病院の長野宏昭医師

 【北谷】沖縄ハンズオンNPO(安慶名達也代表)が主催する講演会「いのちの学校~折れない心を育てるいのちの授業~」が2月27日、北谷町の栄口区公民館であった。県立中部病院の長野宏昭医師が「解決が難しい苦しみから学ぶこと」について分かりやすく講話した。8歳から80代までの区民が参加した。

 長野さんはワークシートを用いて「苦しみって何だろう」と問い掛け、「苦しみとは(希望)と(現実)の開き」という具合に、かっこ内に言葉を入れていく手法で講話した。

 それぞれの考えで思ったことを入れていけばよいので、全員がおのずから参加して“生徒”になった。「苦しみがあっても何があれば穏やかになれる」との問いには「(支え)」というように進む。

 「苦しい時に支えになるものは何」と問い掛けると多種多彩な言葉が並び、自分とのつながりに結び付く。レッスン1から3までの授業で、最終は「苦しむ人を前にして私にできること」「自分を認め大切にする」の問い掛けに導いて講話は終了した。

講話「いのちの学校」に参加した地域の人々=2月27日、北谷町の栄口区公民館

 コロナ禍だけに万全の対策をして、告知も控えめにしたと話す栄口区の島袋艶子自治会長は「多くの参加者に驚きと関心の高さを感じた。人との接し方など私も思い当たる節があり勉強になった」と話した。

 宮里廣さん(68)は「有意義な時間が過ごせて感謝している。今日の話を知り合いにも教えたい」と満足気な表情。医師を目指しているという東内原悠さん(沖縄尚学高3年)と徳元陽菜さん(球陽高3年)は「患者の気持ちを大切に地域にも出掛け、悩みの相談にも応えられる医者を目指す」と話した。

 長野医師は「自分が苦しみを抱えた時に具体的に何ができるかを考え、他人の苦しみにも優しく思いやる心を養うことが大切」と語った。

(山川宗司通信員)