区域外の米軍訓練「禁止を」名護市議会、全会一致で可決


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 【名護】米海軍のヘリコプターが名護湾でつり下げ訓練などを実施した問題を巡り、名護市議会(大城秀樹議長)は28日の3月定例会最終本会議で、「日米地位協定に違反した提供訓練区域外での訓練の禁止を求める」決議と意見書を全会一致で可決した。「民間人の安全を確保するための仕組みを無視して訓練を行ったことは大変遺憾だ」と抗議し、日米両政府に提供区域外での訓練の禁止を求めた。

 決議と意見書は、日米地位協定で訓練実施は提供区域に限定され、日米合意では事前通告が必要だとして、今回はどちらも守られなかったと指摘。現場は漁場であり、「事故や危険を回避するためには事前連絡が必要不可欠だ」と強調した。

 飛行高度も日本の航空法などを守っておらず、日米合同委員会の合意に反するとして(1)地位協定に違反した提供区域外での訓練禁止(2)地位協定の抜本的改定―を求めた。日本政府に向けた意見書は、訓練の事実関係を確認し米軍に強く抗議することも求めた。決議は在日米海軍司令官と在日米海軍厚木航空施設司令官、意見書は首相や防衛相ら宛て。
 (岩切美穂)