「沖縄に生まれてよかった」8割 「格差広がった」は3割超す 県民意識調査


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 1972年の沖縄の日本復帰から50年の節目を迎える中、県が昨年8~9月に実施した県民意識調査からは、8割を超える県民が生まれ島に誇りを抱いている一方で、生活実感に厳しさを抱える人が少なくないという県民像が浮かび上がる。

 10年前の沖縄に比べて県民間の経済格差を感じるかを聞いた設問では、「格差は広がった」と回答した人が34.3%に上り、ここ10年間の調査で最も高い値を記録した。

 「沖縄に生まれてよかった」の回答は前回調査(2018年度)比0.5ポイント増の計83.3%、「沖縄県への誇り」を感じるとした回答は同0.9ポイント減の82.1%となり、肯定的な回答が高い割合を占めている。「幸せ」を感じるとの回答も同2.4ポイント減ながら83.5%に上り、県民の幸福感は高い傾向にある。

 一方、現在の生活状態を問う設問では、今の暮らしぶりを「中の下」または「下」と感じると回答した割合は32.8%だった。19年の全国調査の26.5%に比べて6.3ポイント高く、生活に厳しさを感じる割合は全国平均を上回る傾向にある。「中の中」の回答は42.0%で、全国の57.7%より15.7ポイント低かった。

 経済格差を指摘する回答割合の増加について、県企画調査課の担当者は「(世帯ごとの所得格差を示す)ジニ係数が高い傾向は、新自由主義の広まりから沖縄に限らず全国でも見られる。政府は見直しを進めているが、県でも子どもの貧困対策など格差是正を最重要課題に位置付けている」と述べた。
 (梅田正覚)


重点施策「子の貧困」42%、基地問題は4位後退22% 沖縄県民意識調査