沖銀グループOFG、男性の育休を義務化 有給1ヵ月、来月開始


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株式会社おきなわフィナンシャルグループ

 おきなわフィナンシャルグループ(OFG、那覇市、山城正保社長)は29日、子会社の沖縄銀行の男性職員を対象に、4月以降有給で1カ月の育児休業取得を義務化すると発表した。家事育児の負担を分散することで女性の活躍を推進し、男女の差なく子育てに関わることにより新たな価値観の形成を目指す。今後、沖銀以外のグループ各社にも順次広げていく予定という。

 グループ各社拡大へ

 全国では江崎グリコが2020年に有給扱いで1カ月間の育休取得を義務化している。OFGによると、金融機関として同様の取り組みをしている事例は見当たらず、全国的にも先駆的な取り組みといえる。

 育児・介護休業法の改正により、10月に男性版産休ともいわれる「出生時育児休業(産後パパ育休)」が創設される。通常の育休とは別に、子どもが生まれて8週間以内に計4週分までの休みを2回に分けて取得できる。OFGは、国の制度をベースに、有給で1カ月間の取得を義務化とさらに踏み込んだ内容とした。1カ月の休業後に、無給の育休を任意で取ることもできる。

 20年度の県労働条件等実態調査では、男性の育休取得率は全体で18・8%、金融・保険業では5・6%にとどまっている。OFGでも、女性職員の育児休暇取得率は100%、平均取得日数は257日である一方、男性は14%、平均18日と低い水準にとどまっている。

 昨年5月に沖縄銀行の職員を対象に実施したアンケートでは、男性が育休を取得できない理由として「行内に取りやすい雰囲気がない」という回答がトップだった。こうした状況を踏まえ、取得を義務化することで強いメッセージを打ち出すと同時に、有給とすることで休業中の収入減という不安を解消する。

 山城社長は、男性の育休取得が進まないとパートナーの女性が家事と育児の大半を担うことになり、女性の活躍推進の阻害要因となっていると推測し「男性が育児休暇を取得することが当たり前だという環境作りが重要で、上司の理解が不可欠だ」と話した。

 既に複数の男性職員から、4月以降に育休取得を希望する声が上がっているという。
 (沖田有吾)