KBC猛打で8強 豊見城、前原、沖水も進出 県春季高校野球


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 第69回県高校野球春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)の第8日は30日、アグレスタジアム北谷とアトムホームスタジアム宜野湾で3回戦4試合を行った。4校が8強に勝ち上がり、準々決勝の対戦カードが出そろった。KBC未来は名護に11―0の五回コールドで勝利。豊見城は4―2で糸満に競り勝った。シードの前原は沖縄工を7―0の八回コールドで退けた。沖縄水産は8―1の七回コールドで西原を下した。準々決勝は4月1日、アグレスタジアム北谷で沖縄尚学―久米島・南部商連合戦と前原―豊見城戦、アトムホームスタジアムでウェルネス沖縄―宮古戦、沖縄水産―KBC未来戦が行われる。

KBC未来―名護 1回、右中間に先頭打者本塁打を放つKBC未来の大城元=30日、アグレスタジアム北谷(喜瀬守昭撮影)

 一回表、KBC未来の先頭、大城元の打席。カウント2―2からの5球目だった。外角寄りの直球をすくい上げるようにバットを振り抜ぬくと大きな弧を描いた打球は球場にいた全員の視線を集めながら、右中間の外野席に突き刺さった。

 一塁を回った大城は、打球がスタンドに入ったのを確認すると、右手でガッツポーズし破顔した。「何が何でも(塁に)出よう」と臨んだ打席。「フェンス直撃かと思ったら、風で伸びてよかった」と、公式戦初の本塁打を素直に喜んだ。

 大城の本塁打に続き、チームは四死球や安打などでこの回一挙5得点。勢いそのままに大城は三回にも中越えに二塁打を放ち、打線はさらに6点を加え名護を突き放した。神山剛史監督は「ホームランで(勢いに)乗れた」と手放しで大城をたたえた。

 大城は180センチの体格を生かした打撃力にとどまらず、右腕エースとしても期待され、背番号1を背負う。名護との試合での登板はなかったが、最速148キロの直球を持ち、プロ野球のスカウトも注目する。沖縄水産との準々決勝に向け「投げるなら失点ゼロに抑えたい。打撃でもしっかり塁に出たい」と強気で臨む決意を示した
 (金良孝矢)

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 ●名護 敗北から成長を誓う宮城聡真主将 最初から相手に押されて、自分たちのペースに持っていけなかった。冬は各自をリモートでつないで練習をやってきたが、実力の差を見せつけられた。原点に返って、打撃と投手力を一から見直していきたい。