民間地に向けて銃口、過去にもあった 米兵、記者の取材妨害や威嚇行為も


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施設内に着陸したMV22オスプレイから降り立つ武装した米兵ら=2月、那覇市の米軍那覇港湾施設(ジャン松元撮影)

 在沖米軍が31日に那覇港湾施設(那覇軍港)で実施した警備訓練で、民間地で取材していた本紙記者に米兵が銃を向けた。住宅地に隣接した米軍基地では市民の目に触れる場所での銃を使った訓練や、記者への取材妨害・威嚇行為などが複数確認されている。

 米軍は同軍港で2月にも「非戦闘員避難」を名目にし、基地内で銃を使った訓練を実施した。浦添市の米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)でも2005年と12年の訓練で、隊員らが隣接する国道58号側に銃口を向け、問題になった。

 基地周辺での記者の取材妨害や威嚇行為では、2001年の米中枢同時テロの発生直後に、基地周辺で取材中の本紙記者が銃を突きつけられたり、データカードを奪われたりした。04年の沖縄国際大の米軍ヘリ墜落事故時も、米兵らは記者や学生から撮影テープやフィルムなどの押収を試みた。20年には基地内の新型コロナウイルス感染拡大で、金武町の米軍キャンプ・ハンセン周辺で取材中の本紙記者に米憲兵隊が撮影中止を求めた事例もある。(塚崎昇平)