糸満市教育委員会と沖縄大の名城健二教授が市内小5~中3を対象に実施したヤングケアラー実態調査では、支援を広げていくために必要だと思うことや要望を尋ねる自由記述の設問もあった。児童生徒からは「ヤングケアラーにかわいそうと言わないで」「言葉だけが広まると、意味が分からないまま勘違いしてしまう人もいる」などの意見もあった。
必要と考える支援については、ヤングケアラーのいる世帯に対して金銭的支援のほか、家事代行サービスや介護施設利用料、学費・医療費の無償化など、福祉支援の拡充を挙げた。
ヤングケアラーの心のよりどころとなるコミュニティーづくり、親に強要されてヤングケアラーとなっている子どももいるとして、法律や条例制定の提案もあった。
「子どもには学校に行く義務、きちんと育てられる義務、親に愛される義務がある。大人にはきちんと責任を持って子どもを育ててほしい」。そんな意見も寄せられた。
名城教授は「ヤングケアラーという言葉に大人が過度に反応すると、子どもが萎縮して自ら発信しなくなる。子どもの声を丁寧に受け止め、子どものニーズに合わせて関わってほしい」と話した。
(比嘉璃子)