「沖縄の親戚に会いたい」県系4世のタマシロさんルーツ探す 曾祖父・玉城徳蔵さんの情報提供求める


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若き日の玉城徳蔵さん。キューバに移民した前後に撮影されたとみられる(タマシロさん提供)

 【本部】沖縄県系4世で英語講師のマシュー・タマシロ・ハリスさん(27)=茨城県在住=は、本部町瀬底出身の曽祖父・玉城徳蔵さん(1898―1970)の親戚を県立図書館の協力を得ながら探している。ハリスさんは「自分のルーツを知ることは大切だ。親戚に会いたい」と情報提供を求めている。

 県立図書館は2016年の第6回世界のウチナーンチュ大会をきっかけに、県系人の相談に対応し、祖先である移民1世の名前や出身地などを調べて伝えるサービスを実施している。タマシロさんも同サービスを利用。図書館の原裕昭さんらが中心となって家系図をまとめ、移民に関する当時の資料や字誌などから親戚につながる手掛かりを探っている。

 タマシロさんと県立図書館のこれまでの調査によると、徳蔵さんは旧本部村瀬底1104番地で生まれた。1925年に海外興業株式会社の移民団の一員としてキューバに渡った。現地の女性と再婚し、同国の「青年の島(フベントゥド島)」と呼ばれる離島でキュウリを栽培する農家となった。第2次世界大戦中は、敵性外国人として強制収容された。その後解放され、キューバ革命後に米国に移住した。

玉城徳蔵さんの親戚を探しているマシュー・タマシロ・ハリスさん=3月26日、本部町の瀬底公民館

 3月26日、瀬底公民館で内間清彦区長らと面会したが、親戚を特定できなかった。タマシロさんは17年に瀬底島を訪れ、民家で徳蔵さんの父・徳助さんや母・マカさんのものとみられる位牌を見つけたが、同姓同名の別人の位牌である可能性が高いことも分かった。調査に協力した区民は「この島には同じ名前が多い。本当に見つかるといいですね」とタマシロさんを激励した。

 両親などから徳蔵さんの人柄を伝え聞くタマシロさんは「口数の少ない人だが、現地の日系人社会をリードするような人物だったそうだ」と話す。原さんは「キューバに移民した県人は多くの困難に直面しながらも家族を育てた歴史がある。なんとか手掛かりを見つけたい」と情報提供を呼び掛けている。問い合わせは県立図書館(電話)098(894)5858。
 (長嶺晃太朗)