改正沖縄振興特別措置法が1日から施行されたことを受け、玉城デニー知事は同日午後に記者会見を開き、今後10年にわたり県政運営の指針となる新たな沖縄振興計画(新振計)の最終案を発表した。第6次となる新振計の名称は「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」とし、基本指針に「安全・安心で幸福が実現できる島」の形成を掲げた。今後は国が策定する沖縄振興基本方針を踏まえ、計画を5月に正式決定し、政府に提出する。
会見で玉城知事は「基地のない平和で豊かな沖縄を、あるべき県土の姿としながら、新時代沖縄を展望する政策を表現した」と強調した。
計画最終年の2031年度に1人当たり県民所得を20年度比77万円増の291万円とすることなど、社会、経済、環境面での「計画展望値」を示した。
改正沖振法で、5年以内の見直しが付則で規定されたことを受け、県は従来5年ごとに成果指標などを定めている「実施計画」の期間を、3年ごとに変更する方針も新たに示した。
新たな計画は2030年までの長期計画「沖縄21世紀ビジョン」で示された五つの将来像や、固有課題の克服に向けて施策を展開する。施策展開について、従来の社会、経済の基軸に「環境」を新たに加えた。
国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の理念も取り入れられ、(1)「誰一人取り残すことのない優しい社会」の形成(2)「持続可能な海洋島しょ圏」の形成(3)「強くしなやかな自立型経済」の構築―を目指す。
(池田哲平)