琉球新報社 第69回県高校野球春季大会（県高野連主催、琉球新報社共催）第9日は1日、アグレスタジアム北谷とアトムホームスタジアム宜野湾で準々決勝4試合を行い、4強が決まった。宮古は6―1でウェルネス沖縄に勝利し、沖縄尚学は久米島・南部商に10―0で六回コールド勝ちを収めた。沖縄水産は9―2の七回コールドでKBC未来に勝利した。前原は10―4で豊見城を引き離して勝ちきった。各校の4強入りは宮古が2年ぶり4度目、沖尚が2年連続23度目、沖水が3年ぶり25度目、19年ぶり11度目。準決勝は2日、アグレスタジアム北谷で、沖尚―宮古、前原―沖水のカードで行われる。
宮古は身長161センチと小柄な砂川拓也が打撃で躍動した。
相手に先制され、同点に追い付いた二回、2死満塁の好機で打席へ。1回戦から一人で投げ続ける182センチの大柄なエース、沖勇作のため「打って楽にさせたかった」。2球目、真ん中にきた直球を左前へとはじき返すと、チーム初安打となる二塁打で2人の走者を生還させた。
五回にも再び2死満塁で砂川。左前にダメ押しとなるチーム6点目の適時打を放ちガッツポーズ。「チームに勢いを乗せられた」と胸を張った。この日3打点。平良栄二監督は「一番信頼の置けるバッター」とうなずいた。
投げては沖が砂川の活躍に背中を押されるように、回を追うごとに調子を上げた。これまで最速137キロだったという直球が威力を増し、最後の打者は141キロで右飛に打ち取った。
小学1年から野球漬けの砂川。高校で一時サッカー部に入るも、「やっぱり野球が楽しい」と1年秋に野球部へ入った。元気にあふれ、練習を怠らない野球少年は攻撃の要としてチームを引っ張る。次戦は強敵の沖縄尚学だが、野球を楽しみながら「自分たちのいつも通りのプレーで臨みたい」と気負いはない。
（金良孝矢）
