決勝進出の沖水、小技絡め得点 光る比嘉のバント2本 県春季高校野球


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前原―沖縄水産 6回無死一、三塁、スクイズを決める沖水の比嘉秀慈=2日、アグレスタジアム北谷(喜瀬守昭撮影)

 沖縄水産は小技を絡め貪欲に得点を重ねた。

 1点リードの五回。無死一、二塁で、これまでほぼノーサインだった上原忠監督が、8番比嘉秀慈にバントのサインを出した。比嘉の打球はダッシュしてくる投手の横を抜け三塁線へ。技ありのバント安打で満塁とし好機を広げた。1死となって、打席には主将の1番川端南海斗。右前打を放ちまず1点を追加。さらに二つの死球でこの回3点を奪った。

 六回は無死一、三塁の場面。再び比嘉の打席で上原監督のサインはスクイズ。比嘉がこれをきっちり決め三走の内村水軌が生還。2打席とも練習通りの成果が出せたという比嘉は「1点でも多くほしい場面で、大切な1点が取れてよかった」と胸をなで下ろした。

 「相手投手が崩れなかったので、十八番の機動力で攻撃パターンを変えようとした」と上原監督。打撃戦を見越し、1点でも多く取りたかったという。「うちには攻撃の引き出しがある」と誇った。

 決勝の沖縄尚学との対戦では、好投手と堅い守りが立ちはだかる。比嘉は「1点1点を大事にしていきたい」と意気込んだ。貪欲なプレーで春季大会の制覇を狙う。

(金良孝矢)


 第69回県高校野球春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)第10日は2日、アグレスタジアム北谷で準決勝2試合を行い、沖縄尚学と沖縄水産が決勝に進出した。沖尚はエース吉山太陽が宮古に対しノーヒットノーランを記録。三回に前盛魁来が適時三塁打を放ち1―0で投手戦を制した。沖水は前原を6―4で勝利。初回に先制した沖水は五回、四死球や失策、バントヒットなどで3得点。さらに六、八回で追加点を重ね、最終回に追い上げを見せる前原から逃げ切った。決勝は9日午後1時、同球場で行う。宮古と前原は同日午前9時から順位戦を行う。優勝校は第150回九州地区大会(23~28日、宮崎県)の出場権を得る。