決勝進出の沖尚、吉山が無安打 7奪三振、制球さえる 県春季高校野球


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沖縄尚学―宮古 ノーヒットノーランを達成した沖尚のエース・吉山太陽=2日、アグレスタジアム北谷(大城直也撮影)

 最後はヒット性の当たりを遊撃手が飛びはね好捕した。125球を投じノーヒットノーラン達成。沖縄尚学の先発吉山太陽はアウトの瞬間を見やると、マウンド上で「しゃっ」と両拳を握りしめ喜びを爆発させた。縦に流れるスライダーの制球がさえ、7奪三振の力投。堅守にも支えられ「うれしい」と大きな自信を手にした。

 前日の準々決勝も完投したが、満足感はなかった。体が突っ込みすぎ、スライダーははっきりボールと分かった。試合後戻ってすぐに修正に取り組んだ。

 課題は低めへの制球力。ストライクからボールに切れる球筋に“進化”させた。頼れる捕手の前盛魁来もいる。この日は「ショートバウンドするイメージ」で腕を振り続けた。

 後半は徐々に見極められ、球数が増えたが「いつも通り。バックを信じて力まずに」。前盛の励ましを受け、最終回は3人で締めくくった。

 三回に前盛が適時三塁打で奪った1点を守り抜き投手戦を制した。

 これには手厳しかった比嘉公也監督も「よくやってくれた」と高評価。決勝に向け吉山は「チームに他にも投手はいるが、譲らずに自分が投げたい」と見据えた。エースの自覚をにじませ、チーム一丸で優勝をつかみにいく。

(謝花史哲)


 第69回県高校野球春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)第10日は2日、アグレスタジアム北谷で準決勝2試合を行い、沖縄尚学と沖縄水産が決勝に進出した。沖尚はエース吉山太陽が宮古に対しノーヒットノーランを記録。三回に前盛魁来が適時三塁打を放ち1―0で投手戦を制した。沖水は前原を6―4で勝利。初回に先制した沖水は五回、四死球や失策、バントヒットなどで3得点。さらに六、八回で追加点を重ね、最終回に追い上げを見せる前原から逃げ切った。決勝は9日午後1時、同球場で行う。宮古と前原は同日午前9時から順位戦を行う。優勝校は第150回九州地区大会(23~28日、宮崎県)の出場権を得る。