不登校の児童・生徒などを受け入れる「多様なまなびFREE SCHOOLまるまるがっこう」(宜野湾市)が、経済的な理由で通えない子をなくすため、学費無料のフリースクール実現に向けたクラウドファンディングに挑戦している。牛木克彦代表(55)は「親が払う学費だけでなく、社会全体で支える仕組みをつくりたい」と訴える。
「まるまるがっこう」は子どもの自主性を重んじる。やりたいこと、学びたいことを決めるのは子ども自身。音楽スタジオで自由に楽器を鳴らしたり、釣りをしたりすることもある。牛木代表は「学校は教科書も時間割も決まっている。自分で決めたことができるという体験は自主性を育てるために大事だ」と説く。
牛木代表は民間教育施設の教頭や通信制高校サポート校代表、放課後児童デイサービス支援員、県居場所事業支援員などを歴任。子どもたちが興味を示した題材から学びを掘り下げる「教科横断型」の教育に取り組む。過去には通信制の高校、東京の大学を主席で卒業した生徒や、沖縄水産高校から国立大学に進学し、魚の研究に励んだ生徒もいた。
活動は12年目。その間、県内の不登校児童・生徒数は増加傾向だ。学校に「行けない・行かない」子どもたちの受け皿は少なく、牛木代表への相談も増えている。「フリースクールは有料。値段がネックとなって通えない子もいた」と明かす。
クラウドファンディングの目標は週1回(年間40日)開講できる160万円。牛木代表は「大口の支援はありがたいが、320人から5千円を集めるのが理想。学校に任せっぱなしではなく、自分事として考え、みんなで支える仕組みを社会に問いたい」と語った。
クラウドファンディングのサイトはhttps://readyfor.jp/projects/marumarugakkouから。
(稲福政俊)