普天間PFAS放出、沖縄県が黒塗りで情報開示 「米軍の意向優先」識者は問題視


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県がインフォームド・パブリック・プロジェクトに開示した米軍のPFAS浄化装置に関する資料

 米軍が2021年8月に普天間飛行場から有機フッ素化合物(PFAS)汚染水を放出した問題で、汚染水を浄化する装置に関する資料を公表しないよう沖縄県に要望したことが5日、分かった。調査団体インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP、河村雅美代表)の開示請求を受けた県は米軍に意向を確認し、黒塗りにして開示した。米軍は放水当日に「(汚染水を浄化する)装置について完全な透明性を持っている」と発表しており、当初の説明と実際の対応が食い違っている。

 米軍が非開示を求めて県が黒塗りにしたのは、PFAS汚染水を浄化する装置に関する資料や米軍から現場説明を受けた際の記録、放水後の意見交換に関するメモ。

 IPPがPFAS汚染水の放出に関して県が保有する資料を請求した。県の外部資料だった場合、開示するかどうか関係機関に意見を確認することになっている。その際、米軍は開示を認めない意向を示した。

 河村代表は「米軍は当日のリリースで透明性を強調していたにもかかわらず、非開示を求めることは矛盾している。県も、非開示を求められた際にその矛盾を指摘すべきだった。市民の知る権利よりも米軍の意向を優先する姿勢は問題だ」と指摘した。
 (明真南斗)