ロシアのウクライナ侵略は、人道上の問題から物の値上がりまで、現地の人々だけでなく私たちの身近にも影響が広がる。本紙の読者投稿コーナー「うそっぱち」には、侵略が始まった2月24日から3月31日までの間に関連する作品の投稿が100点あり、投稿全体の3割を超えた。抽出した100点には直接的ではない表現や派生する影響は含んでおらず、これらも入れればさらに多くなり、関心の高さをうかがうことができる。
うそっぱちは琉球新報の「声」の面にある社会問題や話題の出来事などを風刺した短文投稿欄。日々、選ばれた作品が掲載されている。この間の投稿総数は326点。「ウクライナ」「ロシア」「プーチン」「停戦交渉」の文言などが入るロシアのウクライナ侵略に関する作品は100点あった。このうち掲載されたのは18点。2月25日付~3月31日付紙面に掲載されたうそっぱちは全体で33点で、掲載数に占める割合は55%と高かった。
掲載された作品を見ると、ロシアのウクライナ侵略と中国政府による香港の統制強化を重ねたり、特定の思想や行動へ誘導する政治宣伝「プロパガンダ」などを挙げて戦前の日本との類似性を指摘、皮肉ったり、プーチン大統領を批判したりする内容が多かった。
反戦や停戦、平和を願う作品もあった。「反戦表明 青空とイペーの花で」と戦争に反対する思いを沖縄の風景と重ねた作品は、3月のうそっぱち大賞に決まった。
掲載されなかった作品にも同様の傾向が見られた。うそっぱちの欄は縦3・5センチ、横5センチほどの手のひらよりも小さなスペースだが、反戦の意思表示や一日も早い平和が訪れることを願う人々の思いが込められている。
(仲村良太)