辺野古不承認、きょうにも取り消しへ 軟弱地盤、設計変更巡り 県、対抗措置か


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
名護市辺野古の新基地建設現場=2021年11月

 【東京】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、政府は7日までに、沖縄防衛局による埋め立て工事の設計変更を不承認とした県の処分を取り消す方針を固めた。工事を所管する国土交通省が8日にも公表する。政府は、県に不承認処分を取り消すよう、是正勧告も行う方針だ。玉城デニー知事は、この指示に対して対抗措置を講じるとみられ、再び県と国との法廷闘争に移行する見通しだ。

 防衛局は2020年4月、大浦湾の埋め立て予定海域で見つかった軟弱地盤を強化するため、くいを打ち込む設計変更を県に申請していた。

 県は21年11月、工期の長期化や地盤改良工事の技術的な問題などを理由に設計変更を不承認とした。これを受け、防衛局は同12月、工事の根拠法となっている公有水面埋立法を所管する斉藤鉄夫国交相に、行政不服審査法に基づく審査請求を提出し、不承認の取り消しを求めていた。

 政府関係者によると、国交省は、防衛局の設計変更について県と防衛局それぞれの主張を踏まえ、専門家らに鑑定を依頼。この鑑定書の内容も踏まえて審査を進めた結果、防衛局の請求を認め、県の不承認を取り消す方針を固めたという。

 玉城知事は7日の記者会見で、同日までに国交省からの正式な連絡はないとしつつも「内容を精査し、今後も県としてどのような対応ができるのか方針を検討していきたい」と述べた。

 松野博一官房長官は同日午後の会見で、この方針を伝える報道についての受け止めを問われ、「関係法令に従って手続きがなされるものと承知をしている」と述べるにとどめた。 (安里洋輔、池田哲平)