世界一長い貝「エントツガイ」を国内初確認 沖縄・西表島


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小澤宏之博士が採取したエントツガイの棲管(右)と出水管・入水管(左)。合わせると1メートル30センチを超える=7日、浦添市経塚の県環境科学センター

 沖縄県竹富町・西表島の船浮湾で、世界最長の二枚貝類「エントツガイ」が国内で初めて確認された。殻とは別に長さ1メートル50センチ以上になる棲管(せいかん)と呼ばれる石灰質の管を形成する世界最長の二枚貝類だ。殻と軟体部は棲管に入っている。

 沖縄県環境科学センターの小澤宏之博士らのチームが県の受託事業で発見した。小澤博士は「沖縄、西表島の豊かな生態系をあらためて確認できる発見だ」と指摘する。

 エントツガイはインド、西太平洋の熱帯域で生息が確認されており、これまでの北限はフィリピンだったが、今回の発見でそれを塗り替えた。またマングローブ林周辺に生息していることは分かっていたが、海草藻場の砂泥底に生息するという実態も分かった。

 小澤博士は「西表島でも船浮湾のごく限られた範囲でしか確認されていない希少種だ。国、県、竹富町はスピード感をもって保全・保護対策を講じてほしい」と訴えた。 (安里周悟)


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