沖縄県の辺野古不承認、国交省が取り消し裁決 20日までの設計変更承認を勧告


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名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部=2022年3月17日午後0時14分、航空機より撮影

 【東京】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、国土交通省は8日、沖縄防衛局による埋め立て工事の設計変更を不承認とした沖縄県の処分を取り消す裁決を行ったと発表した。県の判断について「違法かつ不当」であると結論付けて不承認処分を取り消すとともに、沖縄防衛局の設計変更申請を4月20日までに承認するよう求める地方自治法に基づく勧告も実施した。玉城デニー知事は、この指示に対して対抗措置を検討するとみられ、再び県と国との法廷闘争に移行する見通しだ。

 国交省は昨年12月、県の不承認処分を不服とする防衛局から、行政不服審査法に基づく斉藤鉄夫国交相あての審査請求の提出を受け、県と防衛局それぞれの意見書の内容や、専門家に依頼した鑑定書の内容も踏まえて審査を進めていた。

 国交省は、県が公有水面埋立法の要件に適合しないなどと主張していた軟弱地盤の改良工事について「施工実績が豊富であり、技術的にも可能」とした。県が問題視する環境保全措置についても「適切」とし、環境影響の程度についても「変更前と比べて同程度またはそれ以下」と評価した。

 斉藤鉄夫国交相は8日午前の閣議後会見で、国交省の裁決についての質問に対し「最終調整」とし、行政不服審査法に沿って「適切に対応する」とだけ述べていた。