第7波突入の沖縄 「稼ぎ時」大型連休前にまた暗雲…経済界、重点措置「適用しないで」


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人通りの多い那覇市の国際通り=8日

 新型コロナウイルス感染が再拡大し、玉城デニー知事は8日の会見で流行の第7波に突入したとの認識を示し、拡大が収まらなければ経済活動の制限措置も検討する考えを示した。4月末から始まる大型連休を控え、観光産業を中心に経済界では3年連続で「稼ぎ時」が失われることへの警戒感が高まっている。

 県内の観光施設事業者でつくる、美ら島観光施設協会の内田晴長会長は「各施設とも自助努力で耐えている。オンシーズンに当たる3月でも回復は限定的だ」と窮状が続いていると訴える。「これまで観光施設への支援を求めてきたが、一向に進んでいない。大型連休も厳しい状況だと思う」と話し、行政に対し支援を求めた。

 拡大に歯止めが掛からなければ、まん延防止等重点措置などの適用も想定される。県飲食業生活衛生同業組合の鈴木洋一理事長は「組合役員の多くが措置の適用に反対だ」と説明する。経済を回しながら感染防止策を徹底することを優先に考えるべきだとし「飲食店が感染源となる事例は限定的。営業制限ありきの措置ではなく、効果的な感染抑制策を検討してほしい」と県に求めた。

 県ハイヤー・タクシー協会の東江一成会長も「二度と適用してほしくない」と重点措置に反対の立場を取る。3月は売り上げが増加したものの、燃料などの高騰でコストも上昇している。「重点措置になれば、事業を断念する会社がさらに増える」と語り、ワクチン接種の促進などに注力して経済活動との両立を目指すべきとの考えを示した。県ホテル旅館生活衛生同業組合の宮里一郎理事長は「人口比で沖縄が突出して感染者が多く、団体旅行の問い合わせに対しても返答できない状況が続いている」ともどかしさを明かす。「収束に向かうと思ったら変異株が出てくる。この状況も3年目なので、大型連休も大きくは期待していない」と淡々と話した。 (小波津智也まとめ)