新3年生「New学式」に笑顔 コロナで開けず2年越しの入学式 琉大付属中学校


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 沖縄県内各地で入学式が開かれる中、西原町の琉球大付属中学校では7日、新3年生156人が“New学式”を開いた。2年前の4月、新型コロナウイルスの影響を受けて入学式を開けなかった学年で、2年越しの開催。保護者はオンライン中継で式を見守り、式後に一緒に写真を撮って改めて入学を祝った。みんなの心残りだった入学式に「やっぱりやって良かった」と会場にはたくさんの笑顔が咲いた。

“New学式”の企画で中心となった学年委員や同級生ら=7日、西原町の琉大付属中学校(喜瀬守昭撮影)

 代表生徒と教職員、保護者が2月末から話し合いと準備を重ね、最終学年の初日に同校体育館で開催した。

 2020年4月に入学した当初から臨時休校が続き、分散登校で中学生活の幕が開けた。クラス全員が集まったのは入学から2カ月後の6月8日で、その後も相次いで学校行事が中止、縮小された。「最終学年を迎える前に、今からでも入学式を開けないか」と保護者から声が上がり、教師が生徒たちの気持ちを聞くと賛同の声が上がった。代表生徒の8人の学年委員と保護者、教師で共同して式をつくり上げた。

 式名「世界に一つだけのNew学式」は、話し合いで決まった。再び感染が拡大していて、式は比嘉智也校長や代表生徒があいさつをする簡素な内容にとどめたが、誰もが諦めていた2年越しの式の実現に、生徒も教職員も感慨深げだった。

 学年委員長の鈴木貫太さん(14)は「2年間マスク生活で、顔を覚えるのも難しい学校生活だった。式を通して先生たちとの一体感を感じられた」と話した。

 天野よいひさん(14)は「コロナで大変なことはたくさんあったけど、それでもこの学校にすでにたくさんの思い出ができていることに気付けた。最後の1年間を充実させたい」と笑顔を見せた。母親のあさみさん(45)は「みんな一緒に成長を喜べたことが、とても大切な思い出になった」と涙ぐんだ。

(嘉数陽)