読谷の黒木を赤犬子の生まれ島へ 造園業・比嘉さん、津堅に20本贈る


この記事を書いた人 Avatar photo 仲井間 郁江
黒木20本を提供した比嘉勲さん(前列右から2人目)と植樹をした関係者=3日、うるま市勝連津堅

 【うるま】「赤犬子(アカインコ)」が生まれたという伝承が残る、うるま市津堅島のシヌグガマに通じる道に3日までに、黒木20本が植樹された。読谷村の造園業者、洋花園の比嘉勲さん(70)が無償提供した。津堅島には「赤犬子生誕の地」の碑があり、読谷村には「赤犬子終焉(しゅうえん)之地」の碑がある。三線の始祖ゆかりの地が、三線の棹に重宝される「黒木の縁」でつながった。

 黒木の提供は、津堅での赤犬子の碑整備を報じる去年の紙面を見て、比嘉さんが自ら申し出た。植樹された黒木は、樹齢60年以上の高さ約4メートルを超えるもの2本を含む、計20本。3月下旬から植樹をはじめ、4月3日に作業を終えた。作業最終日の天気は雨だったが、津堅の赤犬子の碑整備に関わってきた神谷幸一さんは「雨は赤犬子のうれし涙だ。立派なものをいただき感無量だ」と話した。

 比嘉さんは、造園業に携わり45年。ハワイ沖縄センターの庭園整備に関わった経験もあるという。民謡を聞くのが好きだという比嘉さんは「赤犬子が生まれた場所に読谷の黒木を植樹できて、うれしい。津堅島とアカインコのつながりが、世界中の人に知れ渡るよう願っている」と目を細めた。

 植樹後、津堅島公民館で赤犬子の碑を整備した関係者から感謝状が贈呈された。津堅自治会の玉城盛哲区長は「大きくなるよう、大切に育てたい」と感謝した。 (藤村謙吾)