沖縄水産が故・栽弘義監督が率いていた時代以来25年ぶりの春季大会王者となった。9日にアグレスタジアム北谷で決勝戦を行った第69回県高校野球春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)で、沖縄水産が沖縄尚学を6―1で下した。沖水は第150回九州地区大会(23~28日、宮崎県)に出場する。沖水は初回、川端南海斗と吉元悠貴の連打に仲本海の犠飛を絡めて先制した。三回に芳山海斗が本塁打を放つなど着実に加点した。投げては先発の上原昂也と平田李維の継投で1失点に抑えた。九州派遣の補欠校順位戦は前原が宮古に4―2で勝利した。
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仲間を信じて持てる力を出し切った。沖縄水産の先発・上原昂也は、八回途中まで6安打を浴びるも1失点に抑える好投を見せた。今大会で3イニング以上の登板はなかったが、決勝の大舞台で102球を投げ抜き、チームの四半世紀ぶりの優勝に貢献した。
133キロの直球にチェンジアップ、スライダー、カーブを織り交ぜた。吉元悠貴捕手は「相手バッターの頭にない球を意識した」と言う。緩急をつけて打者のタイミングを外し、凡打の山を築いた。上原は「いつもよりコントロールでき、いいピッチングにつながった」と胸をなで下ろす。
昨年の秋季大会準決勝で敗れた時は「周りが見えず投げることでいっぱいだった」が、今回は違った。三回に四球と暴投で1死一、二塁のピンチを招くと、遊撃の川端南海斗主将がすかさずタイム。「楽にいこう」と言われて肩の力が抜けた。仲間を信じて投げ、遊ゴロと左飛で切り抜けた。
六回から継投する予定だったが「投げたい」と上原忠監督に申し出て、八回までマウンドに立った。「チームで楽しみながら、もっと成長して完璧を目指したい」とさらなる高みを見据える。
(金良孝矢)