7歳の上地さんが卓球日本代表に 県勢で初選出、夢は「五輪で金メダル」


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ラリーの練習に励む上地彩菜=14日午後、宮古島市平良の宮古島卓球クラブ

 【宮古島】宮古島卓球クラブ所属の上地彩菜(7)がこのほど、日本卓球協会による2022年度日本代表(ホープスナショナルチーム・HNT)バンビの部(8歳以下)に選出された。HNTに選ばれるのは、男女全てのカテゴリーを通じて県内初の快挙だ。全国から候補選手が集まった選考合宿で2位を勝ち取り、選ばれた。14日に市役所で座喜味一幸市長に報告し、夢の「五輪で金メダル」実現を誓った。

 HNT選手は日本卓球協会が世代ごとに強化するため毎年、ナショナルチームとして数人を選出する。合宿や国際大会出場などを通じ、世界のトップ選手と競う。過去の五輪出場選手もほとんどがHNT出身だ。

 選考合宿は5~7日にかけて福岡県北九州市で開かれた。全国から選抜されたHNT候補12人が総当たり戦と学力・体力テストで2枠しかない座を競った。上地は総当たり戦で3位(8勝3敗)だったが、学力テストで満点を取り2位の座を勝ち取った。「頑張ってきたので(代表に)選ばれて良かった」と照れくさそうに笑った。

 卓球を始めてまだ2年。5歳の時、いとこが通っていた教室へ見学に行き「面白そう」と感じたのがきっかけだ。初めてラケットを握った時からボールを打つことができた。指導する宮古島卓球クラブの池間祐治監督は「ボールタッチの感覚が鋭い」と才能に目を細める。

 得意とするのは技術がいるバックハンドでのラリー。「やっていて一番面白いから」とさらりと答える。父の浩和さん(48)は性格を「負けず嫌い」と明かす。「上級生だろうと、負けると悔しくて泣く。これからプレッシャーを感じる場面もあるかもしれない。寄り添って伸ばしてあげたい」と話した。

 目標の選手に東京五輪で日本初の金メダルを獲得した伊藤美誠選手を挙げる。ほぼ毎日2~3時間のクラブでの練習に加え、自宅でも伊藤選手の動画を参考にサーブ練習に取り組む。

 池間監督は「教えなくても自主練を続けている。卓球が好きだという気持ちがすごく伝わってくる」と語る。

 5月には静岡県でHNTの合宿が控えている。上地は「(北九州で)負けた選手とも試合する。今度は勝ちたい」と力強く話した。
 (佐野真慈)