海洋教育の副読本「糸満の海」が完成 市内小中校に4500冊、授業で活用


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副読本「糸満の海」の完成を喜ぶ編集委員の教諭7人と當銘真栄市長(後列左から3人目)、幸地政行教育長(同4人目)=3月30日、糸満市役所

 【糸満】沖縄県糸満市内の小中学校の海洋教育で使用する副読本「糸満の海」がこのほど完成した。市教育委員会が市内各校に4500冊を配る予定で、4月から「海人科」の授業などで活用される。3月30日、編集委員ら8人が市役所に當銘真栄市長らを訪ね、製作に寄せた思いなどを語った。

 副読本は糸満の海の歴史、海をテーマにした体験活動の実践例、海洋教育で利用できる施設や企業などを紹介している。

 編集委員の一人、沖縄水産高校の大嶺由紀教諭は「糸満の子が糸満の海を知らないことが多い。副読本で学んだ子どもたちが沖水に入学することで、(学びの)ステージが上がることに期待したい」と話した。

 當銘市長は「先人たちが漁業で市を発展させてきたが、それが引き継がれていないと感じる。本を通して海と関わり、考えてほしい」と話した。

 市では2020年度から海洋教育パイオニアスクールプログラム(日本財団や東京大学大学院教育学研究科付属海洋教育センターなど主催)を活用し、市内の一部学校で海人科の取り組みを進めてきた。授業は海に関わる地域行事や産業、環境問題などを幅広く取り扱う。副読本製作には同プログラムの補助金を活用した。
 (比嘉璃子)