「発生源の特定を」地元では風評被害の懸念も… 西原・中城の井戸からPFAS検出


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 【西原・中城】西原町小那覇にある西原浄水場周辺から国の暫定指針値を超える有機フッ素化合物(PFAS)が検出されたことを受け、地元住民や関係自治体からは早期の発生源の特定を求める声が相次いだ。一方、当該地域に立地する企業からは風評被害を懸念する声が上がった。

 小那覇自治会の泉川寛会長は「早急に発生源を特定し、住民に不安を与えないようにしてほしい。自治会としても情報共有を図りたい」と述べた。泉川会長によると、浄水場付近にはかつて大きなため池があり、さまざまなごみが捨てられていたという。泉川会長は「外からいろいろなごみが捨てられていた。ため池はその後埋め立てられた」と語った。

 町によると、浄水場がある西原(小那覇)工業団地は、製造業を中心に運送事業者や産業廃棄物処理事業者など約140社が立地する。同地域は戦前、陸軍沖縄東飛行場(通称・西原飛行場)として整備が進められたが、米軍の10・10空襲で破壊され、その後米軍が飛行場として整備拡張した。飛行場は1959年に全面返還された。

 西原工業団地に立地する企業86社で構成する町産業通り会の下地武会長は「風評被害が懸念されるが、町や自治会などと連携しながら地域の安全確保に努めたい」と述べた。

 西原町の崎原盛秀町長は「さらなる調査が必要だが、県には早期に発生源を特定し、住民の不安を取り除いてほしい。県や中城村と連携を密にし、住民不安の払拭(ふっしょく)に努めたい」と語った。

 西原町と同様にPFASが検出された中城村の浜田京介村長は「農地なので風評被害などの影響も考慮し、早急な対策が必要だ」と強調した。さらに「村としてはモニタリングも続けていかなければと考えている」と述べた。

(吉田健一、新垣若菜)