米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局が申請した軟弱地盤改良工事に伴う設計変更について国土交通相が県に承認するよう求めた勧告は20日が期限となる。沖縄県は同日中にも、期限内の判断見送りを国側に通知する見通し。
国交相は8日、沖縄防衛局の行政不服審査法に基づく審査請求に応じ、県の不承認を取り消す裁決をした。その際、防衛局の申請が「公有水面埋め立て法の要件を満たしており、承認すべき」として、県に20日までに承認するよう勧告していた。
県側は裁決内容の精査に時間を要することなどを、期限内の判断見送りの理由として挙げる見通し。
勧告には法的拘束力がない。県側が20日以降も判断をしない場合や、設計変更の承認を拒否した場合、国側が法的拘束力のある是正指示に踏み切るかが焦点となる。
是正指示を受けた県は国地方係争処理委員会に申し出て、その後に法廷闘争に移行する展開が想定される。国交省担当者は「県からの連絡は受けていないので、対応は検討していない。仮定の話についてコメントを控える」と本紙取材に答えた。
防衛局は2020年4月に設計変更を申請した。県は審査し、21年11月に不承認にした。県の承認を得るまで、防衛局は軟弱地盤改良工事に着手できない。
(塚崎昇平、明真南斗)