里親委託解除「無理に引き離す必要はなかった」「里子を里親に戻した上で議論を」 支援者が県議会で訴え


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沖縄県議会(資料写真)

 児童相談所(児相)が今年1月に小橋川学さん夫妻の里親委託を解除した事案について、県議会文教厚生委員会(末松文信委員長)は19日、陳情を出した2団体を参考人として招致した。児相の手続きの検証を求めて陳情を出したのは「子どもの育ちを守る会」と「子どもの権利を大切にする里親有志の会」。

 団体側は児相が委託解除したプロセスを拙速と批判。児童が実親の下に戻らず、一時保護所で100日以上過ごしていることから「児童のためにも、小橋川夫妻に戻した上で議論をしてほしい」と訴えた。

 小橋川さんの友人らで構成する「守る会」の伊佐真和代表らは「実親の意向で解除する場合でも、約5年育てた小橋川夫妻と段階的に話し合えば、無理に引き離す必要はなかった」と指摘した。愛着形成を重視する里親制度にもかかわらず「里親の努力をむちゃくちゃにする」と主張した。

 同会の上岡賢太郎氏は、県が設置した有識者による調査委に触れて「ここが最後のとりで。客観性のある検証で事態を良い方向に変えてほしい」と訴えた。

 「有志の会」の加藤久美代表は、神奈川県中井町の町議で里親でもある。加藤代表は県外でも同様の事案があると説明。全国的にも注目される問題だからこそ「県が対応してクリアすることで、全国の里親が助けられる。調査してしっかり向き合ってほしい」と求めた。

 26日にも同委員会が開かれる。児童の援助方針を審議し「小橋川夫妻への一時保護は難しい」と判断した、県社会福祉審議会児童福祉専門部会の渡邊浩樹審査部会長などが出席予定。

(嘉陽拓也)