沖縄県は20日、県内の旅行需要喚起事業「おきなわ彩発見キャンペーン」を5月31日まで延長すると発表した。観光庁が県民割支援の延長を決めたことに伴う措置。1~2月のまん延防止等重点措置の影響で県内の観光産業は停滞しており、支援策の継続に期待が掛かる。
新型コロナウイルス禍による行動制限で人流が抑えられ、沖縄を含む全国から県民割支援継続の要望が寄せられており、観光庁が事業の活用状況も踏まえ判断した。
ただ、大型連休期間の4月29日~5月8日宿泊分については、キャンペーンの対象外となる。連休中は支援策がなくても一定の需要が見込めることが理由とみられる。
利用対象や条件は従来からの変更はなく、県をまたぐ「地域ブロック割」も実施しない方針を継続する。
県内の観光関係者からは延長を歓迎する声が上がった一方で、約1カ月程度の延長のため、より効果的な支援を求める意見も出た。
沖縄ツーリストの東良和会長は「5月までの延長は嬉しいが、決定が遅い」と苦言を呈す。「パンフレットやウェブサイトも修正しなければならない。旅行の準備には2ヶ月ほどかかるので、期間に余裕を持った支援策を打ち出してほしい」と語った。
沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長も「彩発見キャンペーンはこれまでも少しずつ延長しているが、準備のための時間が十分にないために利用率が伸びていないのではないか」と指摘する。「旅行会社やホテルは大きな打撃を受けている。直接的な支援をしてほしい」と述べた。
キャンペーンの問い合わせはコールセンター(電話)098(901)7210。
(小波津智也、與那覇智早)