波上宮に鮮やかなペンキアート作品を奉納 「沖縄のピカソ」小波津有希さん


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奉納証を手に持ち笑顔の小波津有希さんの母・智恵美さん(右)と渡慶次馨宮司。後方は有希さんのペンキアート=6日、那覇市の波上宮

 「沖縄のピカソ」と呼ばれるダウン症の小波津有希さん(26)=西原町=によるペンキアートが、今年1月に那覇市の波上宮に奉納された。同神社で6日、渡慶次馨宮司が、有希さんの母親、小波津智恵美さんに奉納証を手渡した。

 有希さんは、重度のダウン症で、静かに過ごすことも多い。しかし、絵を描いている時は、エネルギーあふれる様子で、筆を使わずにペンキで絵を描いている。チューブに入っているペンキを直接キャンバスにかけて、上から紙で押さえて模様を作る。智恵美さんは、ウミヘビやこま犬のような模様が浮かび上がる様子を「有希マジック」と表現した。

 今回奉納された作品は、緑が鮮やかな作品で、渡慶次宮司は「色使いが素晴らしい。『沖縄のピカソ』と呼ばれるだけある」と話した。

小波津有希さん(智恵美さん提供)

 有希さんの作品は昨年12月にも宜野湾市の普天満宮へ奉納された。奉納のきっかけとなったのは、日本神話を題材に絵を描いているフランス人画家のマークエステルさん。有希さんの作風が似ており、マークエステルさんから「自由にやりなさい」と助言があったという。マークエステルさんの作品も波上宮に奉納されていて、後をついていくように有希さんも奉納した。

 渡慶次宮司は「どんな困難にも負けないで頑張ろう、という気持ちにさせてくれる絵だ」と話した。
 (金盛文香)