ハーモニカの音色、地域に響く 移住の男性が指導 沖縄市・東桃原


社会
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 【沖縄】優しい音色で地域に潤いを―。沖縄市の東桃原自治会(古謝加代子会長)に神奈川県から夫婦で移住してきた男性が、ハーモニカサークル「ゆいま~るの会」を指導し、地域から感謝されている。

今泉喜介さん(正面中央)の指導の下、演奏技術の向上に励むメンバ―=13日、沖縄市の東桃原自治会公民館

 話題の講師は会長を務める今泉喜介さん(80)。今泉さんは8年前に妻の鶴栄さん(79)と沖縄に移住した。夫妻には、県内の大学を卒業し県出身女性と結婚後も沖縄に住んでプロカメラマンとして活躍する一人息子がいる。「妻が息子のいる沖縄で暮らしたいと強く希望したので、自宅と土地を処分し移住した」と振り返る。

 「ゆいま~るの会」の発足は2000年で、活動歴は長い。沖縄への移住直前に日本ハーモニカ芸術協会の師範資格(認定指導員)を取得していた今泉さんは、県内の関係者と知り合い、それが縁ですぐさま同会の指導を引き継ぎ、6年前に区内に居を構えた。

 会員は8人。自治会公民館で毎週水曜日の午前中2時間、練習に励む。保育園長の友寄隆静さん(75)=同市=は「先生の指導は厳しいが楽しい。園で時々ハーモニカを演奏すると、子どもたちの反応がうれしい」と笑顔。うるま市から参加している小波津サエ子さん(71)は「母がいつもハーモニカを吹いていた。その音色が脳裏にあり、引き寄せられるように活動に参加している。生きがいです」と語る。

 市社協行事や病院などからも演奏要請があるなど、同会の活動は大きな広がりを見せる。市中央公民館でも指導する今泉さん。「ハーモニカ演奏の呼吸法は心肺機能を向上させ、健康づくりにもつながる。魅力をより多くの人に伝えていきたい。会員も募集中です」と意気込みを見せた。問い合わせは同自治会(電話)098(934)0300。
 (岸本健通信員)