カラフルな「いるまんちゃー」で多様性感じて ホテルでもとぶ記念病院利用者の作品展 本部町石川


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 【本部】ゆがふホールディングスと前田産業ホテルズは20日から、本部町石川のロイヤルビューホテル美ら海でアートミュージアム「いるまんちゃー展~多様性は響き合う~」を開催している。もとぶ記念病院の作業療法室利用者らが制作した作品50点近くが展示されている。期間は5月19日まで。

 「いるまんちゃー」とは色がごちゃ混ぜに混ざり合うという意味で、その名の通り、色鮮やかで個性あふれる作品が並ぶ。認知症や精神疾患向けの作業療法室「かいがらクラブ」と「風茶場(ふーちばー)」の利用者らが色鉛筆、クレヨン、シールなどを使い、思い思いのテーマで作品を制作した。

もとぶ記念病院利用者らが共同で作成した作品を囲むゆがふグループとロイヤルビューホテル美ら海の関係者ら=20日、本部町石川のロイヤルビューホテル美ら海

 魚、猫などの生き物、スイカや花などを描いた作品があるほか、重箱を描いたものやシールでグルクンを表現するものもあった。子どもたちに楽しんでもらおうと、利用者の描いた魚の絵を水槽に入れ、磁石の付いたさおで釣りのゲームができるようにした作品や編み物なども展示されている。

 ゆがふホールディングスなどは地域の高齢者、障がい福祉事業所利用者などの作品をホテルや建設現場などに展示する「ゆがふアートミュージアム」に取り組んできた。今回で4回目。ゆがふホールディングス財務・総務部の右田弥比古次長は、17日に死去した前田裕継CEOが芸術振興に力を入れてきたことに触れ、「継続して取り組んでいきたい」と述べた。

もとぶ記念病院の利用者らが作業療法の一環で作成した作品=20日、本部町石川のロイヤルビューホテル美ら海

 作品は海と伊江島の全景を眺めることができるホテル1階ロビーに展示されている。同病院の作業療法士、吉原幸さんは「きれいな景色のロビーで展示していただきありがたい」と話した。同ホテルの饒波正仁総支配人の代行であいさつした倉島和夫副総支配人は「素晴らしい作品が数多く展示されている。豊かな気持ちを作品から得てほしい」と来場を呼び掛けた。

(長嶺晃太朗)